自然エネルギーニュース・コラム
2025年05月10日(土)
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東北大学ら、太陽電池のコスト低減に向け、高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発

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東北大学ら、太陽電池のコスト低減に向け、高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発

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太陽電池の変換効率向上を目指した研究
東北大学は、同大学金属材料研究所(以下、金研)結晶物理学研究部門の藤原航三教授らが、高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発したことを発表した。

東北大学
この技術の研究は、藤原教授の他、同大学結晶材料化学研究部門の宇田聡教授、FTB研究所株式会社、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、福島再生可能エネルギー研究所再生可能エネルギー研究センター、太陽光チームの福田哲生招へい研究員、高遠秀尚チーム長と共同で行われたもの。

環境保護等を勘案した再生可能エネルギーの普及拡大が世界的に求められているが、それには、その発電コストが、化石燃料によるコストを下回る必要があり、太陽光発電においても、太陽電池の変換効率を限界まで向上させなくてはならない。

こうしたことから、東北大学金研と産総研は、2013年に太陽電池の変換効率向上を目指し結晶シリコンの高品質化に関する共同研究を開始し、一方、FTB研との共同研究では、溌液るつぼの改良も行われてきた。

そして、これらの研究機関の協力によって、さらなる改良をされた溌液るつぼを使用し、結晶製造条件を最適化することによって、低コストで高品質な単結晶シリコンの製造方法(LCZ法)の開発に成功したものである。

溌液るつぼを用いて単結晶シリコンを製造
今回開発されたLCZ法は、従来の石英るつぼの外部から磁場を作用させながら結晶を製造するMCZ法と異なり、磁場を作用させることなく、シリコン融液をはじく特殊な処理を行った溌液るつぼを用い、結晶製造条件を最適化する。

研究チームでは、これを用いて実用サイズの直径200mmの単結晶シリコンを製造することに成功、LCZ 法による単結晶シリコンからシリコン基板を作成して標準型太陽電池を試作したところ、従来の結晶シリコンを用いた太陽電池に比べ変換効率が最大 1.03 倍向上した。

今後は、需要に応じて溌液るつぼの製造設備の拡充を行うなど、るつぼの低コスト化や、結晶成長技術の改良を行うことによって、より高品質な結晶シリコンの量産化に対応した製造技術の開発に取り組んでいく予定。

これにより、高効率太陽電池のコスト低減が期待されると同時に、2020年の発電コスト目標である、業務用電力並14円/kWh(非住宅分野)の達成に向けて大きく前進できることが期待されている。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

東北大学 プレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp
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