標準面積セルで18%を超えるエネルギー変換効率を達成
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)とNIMS(国立研究開発法人 物質・材料研究機構)は3月28日、ペロブスカイト太陽電池※ の標準面積(1cm2)のセルで、世界で初めて18%を超えるエネルギー変換効率を達成したと発表した。
※ ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイトはチタン酸カルシウムの鉱物名で、同じ結晶構造をとる化合物を総称してペロブスカイト型化合物と呼ぶ。ペロブスカイト太陽電池に用いられる代表的な化合物には、CH3NH3PbI3などがあり、廉価な材料構成と溶液塗布方式により低コストで量産できる利点がある。
現在実用化されているシリコン系太陽電池は、生産量拡大とともに製造コストは下がってきているものの、従来の火力などに比べると発電コストは未だ高い。
今年中に1cm角電池で変換効率20%を目指す
そこでNEDOは、従来レベルの発電コストである7円/kWhを実現する太陽電池として、ペロブスカイト太陽電池の開発を推進してきている。
同電池の開発は世界的にも活発に行われていて、これまでにセル面積0.1cm2程度で20%超のエネルギー変換効率が報告されてはいるものの、面積が小さいことから測定誤差が大きいといった問題がある。
そこで両者は、ペロブスカイト層の欠陥を少なくしたり太陽電池構造の高性能化の最適化を進めるなどで、標準面積となる1cm2のセルにて世界で初めてエネルギー変換効率18.2%を達成したもの。
そして今後は、組み合わせる材料や膜厚の最適化などにより、今年中に変換効率20%を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100544.html