モデルケースを物語形式で
国立研究開発法人国立環境研究所は、資源循環・廃棄物研究センターにて実施してきた研究プロジェクトの研究成果から、バイオマス地域循環の構築に関する実務者ガイドとして、「物語で理解するバイオマス活用の進め方~分別・リサイクルから利用まで~」を作成し公表した。
このガイドは、バイオマス循環事業の担い手になりうる人々に向けて、バイオマス循環を取り巻くマクロ動向やシステムを検討する際の留意事項、取り組みを進める視点や具体的行動(キーアクション)などについて、2部構成、92ページにわたって詳細に記述したもの。
具体的な内容としては、第1部「概論編」では、バイオマス循環事業を進めるうえで知っておきたい社会情勢や制度、廃棄物や農業などの動向、事業構想を検討する際の留意点などを示し、関連キーワードなどの基本事項についてまとめている。
第2部「実践編」では、バイオマス循環事業を効果的に進めるポイントについて、仮想地域でのモデルケースを3パターン示し、物語形式で記述している。また、効率的に取り組みを進めていくための18のキーアクションについても記載している。
ゲーム攻略本のように読みやすさを重視
同ガイドの特色としては、複数の優良事例を素材にして、「仕組みを考える」「仕組みを動かす」「仕組みを発展させる」という3つのステージに分けて、ステージごとに取り組みの進め方を説明し、ゲーム攻略本のような表現を意識し読みやすさに配慮していること。
また、さらなる特色として、ステージ攻略に用いる様々な効果を発揮するアイテムや技を、キーアクションとして説明リスト化していること、「道筋をつける」「仲間を増やす」「やってみる」「周囲を説得する」という4つの視点から取り組みの大きな流れを説明していること、個々のアクションだけでなく、地域活動の大きな流れを説明して、中長期的に配慮すべき点や達成目標を提示していること、などが挙げられる。
ガイドは、資源循環・廃棄物研究センターのサイトからダウンロード可能。
(画像はプレスリリースより)

資源循環・廃棄物研究センター
http://www-cycle.nies.go.jp