走行中のEVへワイヤレスで電力供給する技術研究で
豊橋技術科学大学の未来ビークルシティリサーチセンター長である大平孝教授は3月18日、電化道路の試作に成功したと発表した。
大成建設株式会社との共同研究によるもので、ワイヤレス給電にて走行する電気自動車(EV)の屋外走行実験を公開した。またこれは、総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業「電化道路電気自動車の実現に向けた電動カート走行中給電の原理実証実験」の委託研究に関連する。
これまでEVは、バッテリーへの充電時間が長く、かつ1回の充電で走行できる距離も短いといった課題があったことから、両者は大学敷地内屋外で電化道路を試作し、走行中のEVへワイヤレスで電力を供給する技術の研究を進めてきた。
埋設した2本のレール電極板からタイヤを通じEVへ送電
そして、道路に埋設した2本のレール電極板からタイヤを通じてEVへ高周波電力を送電することにより、EVの課題解決を図ってきたもので、この技術はEVが走行するに必要な「道路」と「エネルギー供給施設」を融合させた革新的な技術としている。
両者は、平成26年9月に建物内フロアの電化に成功し、バッテリーレス電動カートの有人走行実験を行った。また平成27年10月には、建物内アスファルト床においてEVの停車中給電に成功している。
そして今回、大学敷地内屋外にて一般アスファルト舗装に近い構造で道路を電化することに成功、バッテリーレスEVでの有人走行を世界で初めて達成したもの。なお同システムは、総務省の高周波利用設備(13.56MHz 出力5kW)の認可を得て運用している。
なお今後は、電化道路の基本性能の向上、低コスト化・安全性と標準化などを推し進め、自動車専用道路での実証実験を目指すほか、工場や物流施設など屋内搬送システムへの適用により事業化を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

国立大学法人豊橋技術科学大学 プレスリリース
http://www.tut.ac.jp/docs/PR160318.pdf 関連記事(動画あり)
http://www.tut.ac.jp/news/160318-9172.html