幅広い設置シーンに対応しコストを削減
オムロン株式会社は、産業用太陽光発電システム向けの三相パワーコンディショナ「KPT-A99」と「KPT-A100」の2機種を2016年4月から、「KPT-A123」を同年6月から発売開始することを発表した。
オムロンでは、20年来、個人住宅向けを中心とした屋内外の単相パワーコンディショナを生産してきたが、今回発売した製品は、主に公共・産業用の太陽光発電システムに適した屋外設置型の三相パワーコンディショナであり、幅広いラインナップにより、発電容量50キロワット未満の低圧太陽光発電システムから、50キロワット以上の高圧システムにも対応可能となっている。
このため、定格容量の大きい型式を使用すると、少数の製品でシステム構成が可能となり、従来製品に比べ、導入・設置・保守などのトータルコストの削減が実現されている。
2012年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、年々買取り価格の見直しが行われ流動的な状況となっているが、今回のコスト削減を果たした製品であれば、この状況下でも十分に導入が可能と見込まれている。
高性能で多機能
その他の特長として、同製品のシリーズは、高周波絶縁方式により漏洩電流を防止できるため、絶縁の役割を担う商用トランスの設置が不要となりシステムコストの削減も可能。
また、同社の太陽光発電用モニタ「エナジーインテリジェントゲートウェイ」と併設することで、出力制御が可能となることから、将来、出力制御の運用が開始された場合にも、対応が可能である。
さらに、JIS規格で定められた防塵・防水に関する規格等級の「IP65」を確保しており、海岸から500メートル以上であれば塩害地域での使用も可能であり、また、パネルの回路数にも柔軟に対応できるように、回路数を1~7まで設定できるという特長も持っている。
自家消費で太陽光発電のニーズも継続
オムロンは、現在の住宅用太陽光発電に関して、発電コストが、系統からの電力料金と同等かそれ以下になる状態である「グリッドパリティ」に到達していると見ており、今後、公共・産業用太陽光発電システムも同様の状況になると想定している。
そして、その場合、自らが使用する電力を自らで作る「自家消費」への移行が進むことから、今後も太陽光発電に関して一定の市場が形成されるものと見込んでおり、太陽光発電などクリーンエネルギーの最大活用に貢献する製品やソリューションを提供していく意向だ。
(画像はプレスリリースより)

オムロン株式会社 ニュースリリース
http://www.omron.co.jp