安全性高く長寿命な大容量フィルム型リチウムイオン電池
積水化学工業株式会社は3月9日、安全性が高く長寿命な大容量フィルム型リチウムイオン電池の開発を終えるとともに、当初は定置・住宅用蓄電池を対象として事業化を進めると発表した。
2013年12月発表のゲルタイプ電解質での塗工プロセス開発に加え、新たに電極塗工型絶縁材料とそのプロセス技術を確立したことから、電池の高容量化に必須の薄膜化と優れた耐熱性および耐衝撃性を同時に実現できたという。
量産設備については、既にJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)の認証を取得済みで、今後は定置・住宅分野での住宅メーカーへの採用に向け、システムメーカーと連携して2016年度の出荷を目指す。また車載分野では、2020年以降の参入を目指すとしている。
市販蓄電池の約2倍の高容量により省スペース化を実現
開発した大容量フィルム型リチウムイオン電池の特長は、安全性が高く15年以上の長寿命(使用環境による)を有するとともに、一般的な市販蓄電池の約2倍の高容量により省スペース化が図れることとなる。
同社では、昨今の環境問題などを背景に、様々な創エネ機器(太陽電池、風力発電等)と合わせ再エネの有効活用のためには、蓄電池システムの重要度がさらに増すとみており、特に再エネの固定価格買取期間が終了する2019年以降に向け、大容量タイプの需要が伸びると予測している。
このため同社は、事業立ち上げ中の大容量フィルム型リチウムイオン電池について、事業化の更なる加速化を図るべく、社長直轄組織「LBプロジェクト」を4月に設立するとのことだ。
(画像はプレスリリースより)

積水化学工業株式会社 ニュースリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/2016/1279937_26476.html