断線と地絡を高度に検出
NEDOは、NEDOプロジェクトの成果を活用して、株式会社システム・ジェイディーが太陽光パネルの新たな携帯型故障検出装置「SOKODES GF(ソコデス GF)」を開発したことを発表した。
今回開発した「SOKODES GF」は、太陽光パネルが機能不全となる主な要因である断線がパネル内や接続ケーブルで発生しているかについて、日射量の影響を受けずに、太陽電池の構成単位であるストリング単位で測定して検出する機能を搭載している。
また、パワーコンディショナー(PCS)と太陽電池の間に、複数のストリングを束ねるために設置される接続箱などから、ストリング単位で一括に測定を行うことによって、大地へ電気が流れてしまう現象(地絡)の有無を検出する機能も提供しており、不具合箇所の特定が容易になった。
さらに「SOKODES GF」は、欧州での基準適合マーク「CEマーキング」にも適合しており、ヨーロッパなどでの販売や流通が可能であることから、海外へのメンテナンス事業のキーデバイスとして使用できる。
国内外での販売を開始
システム・ジェイディーは、これまで、太陽光発電分野での活用が期待される太陽電池アレイ故障診断の技術開発に取り組み、断線による障害の有無やその位置の推定などが可能な携帯型故障検出装置「SOKODES(ソコデス)」や、同様の機能をメガソーラーなどに組み込んだ組み込み型「SOKODES」を市場販売している実績がある。
また2015年には、NEDOの「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」において、組み込み型「SOKODES」を用いた遠隔監視システムを、タイを起点として海外展開するために、大手通信インフラ企業と共同で先導調査を実施しており、その結果、地絡による障害を検出するユーザーニーズを明確にしていた。
同社は、こうしたニーズを満足させる製品として「SOKODES GF」を開発したもの。
今後は、2016年春より国内外に向けて販売を開始する計画であり、同装置の普及を進めるとともに、結晶シリコン系太陽光パネル以外での適用を目指した開発を行い、さらなる有効活用を目指していく意向だ。
(画像はプレスリリースより)

NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100523.html株式会社システム・ジェイディー
http://www.system-jd.co.jp/