SAITEC、世界初のマグネシウム蓄電池の実用化に目途
埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)は1月19日、世界初のマグネシウム蓄電池の実用化に目途をつける画期的な研究成果が得られたと発表した。
いま、モバイル機器として多用されているスマホやノートパソコンなどには、リチウムイオン電池が欠かせないものとなっているが、電池容量がほぼ限界に近いとみられるほか、原料となるリチウムの安全性が低く、レアメタルのため高いという問題点がある。
一方マグネシウムは、リチウムより資源量が多くどこにでもあることと、電池として2倍以上の容量が見込めるといった長所があるが、室温で使うには安全面での不安があり、充放電の繰り返しでの劣化といった課題があった。
大容量を確保したまま室温で安全に動作、劣化も少なく
今回開発したマグネシウム蓄電池は、大容量を確保したまま室温で安全に動作することと、充放電を繰り返しても劣化を少なくすることに成功したもの。
これは、平成20年度開始のNEDO委託事業に採択されるとともに、ここで得られた成果をベースに、正極材料・電解液に関して県内企業との共同開発を行ってきた成果とのこと。
同蓄電池は、スマホやタブレット端末、ノートパソコンなどの小型機器に適しているため、今後こうした機器に使われている小型リチウムイオン電池を代替する可能性があるという。
なお、経済産業省の蓄電池戦略プロジェクト報告(平成24年7月)では、世界の小型民生用電池市場規模は1.5兆円(平成32年時点)に達すると見込まれており、同蓄電池への期待が高まっている。
(画像はイメージです)

埼玉県産業技術総合センター ニュースリリース
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