クレアールの35%を楽天保有で新サービス検討
楽天は12月17日、電力小売り事業を行うクレアールエナジー(以下、クレアール)に出資すると発表した。クレアールは、LPガス販売などを行うクレックスが2015年10月に設立した会社で、クレアールの35%を楽天が保有することになる。
2017年の都市ガス小売全面自由化を見据えたもので、両社はこの提携により簡易HEMS(※1)等を活用、クレックスのLPガス顧客に対し電力・ガスと「楽天スーパーポイント」を組み合わせた新たなサービスの優位性等を確認し、両社の強みをより生かすための開発を検討していく予定という。
これは、両社が一般家庭約1万世帯に対してこの7月行ったモニター募集を通じ、顧客ニーズなどを調査してきた結果に基づくもの。
FIT電気とゼロエミッション電源の販売モデルを開発
また今後、電力・ガス小売自由化に伴い新たな事業者の参入が予想されることから、クレアールが得たノウハウ等を活かしたサービスプラットフォームを事業者に提供して、取次等を含めた営業・契約モデルの推進や、FIT電気(※2)と水力等のゼロエミッション電源の販売モデル開発に取り組む。
サービスの多様化を進めてる楽天は、エネルギー事業でも2014年にエネルギー需要開発有限責任事業組合を設立、2015年には、再生可能エネルギー電源開発推進を通じ楽天市場の出店者や楽天トラベルに加盟する宿泊施設などに対する電力小売での業務提携を発表している。
マルチチャネル化時代に合わせ販売管理スキーム開発支援
楽天は今後、LPガスを含むエネルギー業界自由化に伴う競争市場でも、サービスプラットフォーム提供やポイントプログラムを使ったプロモーション企画のほか、マルチチャネル化時代に合わせた販売管理スキーム開発支援など新たなイノベーションに取り組み、業界全体の発展に寄与していくとしている。
(※1) HEMS(ヘムス)
Home Energy Management System の略称。センサーやITの技術を活用し、住宅のエネルギー管理を行うシステム。主に、電気の使用状況の「可視化」や、住居内の機器制御を通じて省エネなど使用量の最適化を実現することが可能になると言われている。
(※2) FIT電気
太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスについて、電気事業者に対し国が定めた調達価格・調達期間での再生可能エネルギー電気の調達を義務づけた電気。
(画像はクレアールエナジーHP)

楽天株式会社 プレスリリース
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2015/1217_02.html