九州本土の再エネ導入状況と優先給電ルールを発表
九州電力株式会社は7月21日、九州本土における再生可能エネルギー(再エネ)の導入状況と優先給電ルールを発表した。
九州本土での太陽光発電設備量は、平成28年5月末には615万kWとなり、この1年間で約110万kW増加していて、太陽光を中心とした再エネ発電設備の導入が急速に進んでいる。
このため同社では、供給力が需要を上回る昼間の時間帯を中心に、太陽光・風力の出力変動に応じて同社の火力等の抑制と揚水動力を活用するなど、これまでとは著しく異なる対応により、需要と供給力のバランスを保ちながら電力の安定供給を行ってきている。
出力を抑制する順序を定めた「優先給電ルール」が整備
一方この4月には、供給力が需要を上回る場合の対応として、火力やバイオマス等の出力を抑制する順序を定めた「優先給電ルール」が、電力広域的運営推進機関にて送配電等業務指針として整備された。
優先給電ルールは、平成28年4月のライセンス制導入により、一般送配電事業者による下げ調整力不足時の対応を明確化したもので、九州地区全体で再エネを含めた供給力が需要を上回った際に、あらかじめ定めた順序で発電量抑制などの調整を行うことになる。
九州本土も出力制御発生時はルールに基づいて運用
同ルールでは、最初に電源Ⅰ(一般送配電事業者が調整力として予め確保した発電機と揚水式発電機)と、電源Ⅱ(一般送配電事業者からオンラインで調整できる発電機と揚水式発電機)対象の自社火力抑制や揚水運転等を行う。
次いで、電源Ⅲ(一般送配電事業者からオンラインで調整できない火力電源等の発電機と一般送配電事業者からオンラインで調整できない揚水式発電機)対象の九州地区旧新電力の火力やバイオマス等の出力を抑制し、連系線の活用(長周期広域周波数調整)を行った上で、太陽光や風力の出力制御を行うこととなる。
同社では、すでに種子島・壱岐では再エネの出力制御を行っているが、今後は九州本土でも出力制御が発生する場合には、同ルールに基づいて運用してもらうことになるとし、各発電事業者への対応説明を予定しているとのこと。

九州電力株式会社 プレスリリース
http://www.kyuden.co.jp/press_h160721-1.html(別紙)「優先給電ルールの考え方について」
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0055/4202/