アンモニアから水素燃料を製造する過程の課題をクリア
広島大学は7月19日、同大学と昭和電工、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、豊田自動織機、太陽日酸の共同研究により、アンモニアから燃料電池自動車用高純度水素を製造する技術の開発が成功したと発表した。
アンモニアの化学式はNH3であることから、アンモニアには多くの水素が含まれており、水素燃料として注目されてきたが、これまで、アンモニアから高純度水素を製造することは困難とされてきた。
その理由は、高活性かつ耐久性の高いアンモニア分解触媒が必要なこと、アンモニアを除去する材料が必要なこと、水素を高純度に精製する技術が必要なためだ。
残存アンモニア濃度の国際規格 0.1ppm以下を達成
共同研究においては、困難とされてきた課題を全て克服し、アンモニア分解装置、残存アンモニア除去装置、水素精製装置を実証スケールの1/10での開発に成功した。
燃料電池自動車用水素のアンモニア濃度は、国際規格により0.1ppm以下と定められているが、研究において、残存アンモニア濃度を0.1ppm以下とすることに成功したことから、アンモニアを原料とした燃料電池用水素燃料の製造が可能となった。
今回の研究により、アンモニアを原料とした燃料電池用水素ステーションの実現が期待されるほか、燃料電池自動車や燃料電池フォークリフトなどに燃料として利用されることで、CO2の削減が期待される。
(画像はプレスリリースより)

広島大学 プレスリリース
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