横浜市が「仮想の発電所」構築へ向けた基本協定を締結
横浜市と東京電力エナジーパートナー株式会社(東京電力EP)および株式会社東芝の3者は7月6日、横浜市内での「仮想の発電所」(バーチャルパワープラント:VPP)構築に向けた事業に関しての基本協定を締結したと発表した。
なおこの事業は、「スマートレジリエンス・バーチャルパワープラント構築事業」と名付け、低コストで環境性が高く、災害に強い設備と街づくりを構築する取組と位置付けている。
これまで3者は、横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)実証事業※1 で培った知見を活かすほか、平成27年4月発足の「横浜スマートビジネス協議会(YSBA)」にて、防災性、環境性、経済性に優れたエネルギー循環都市の実現に向けた取組を行ってきている。
※1 YSCP実証事業:
平成22年に経済産業省から「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として選定を受けた取組。エネルギー需給バランスの最適化に向け、HEMS、太陽光発電、電気自動車を導入して実証を進め、平成26年度末に完了。
平常時は電力需要調整、非常時は防災用電力として使用
今回、テーマ型共創フロント※2 を活用した基本協定締結により、これまでの取組を加速させ、国が平成29年に目指す節電取引市場の形成にも貢献するとのこと。
※2 テーマ型共創フロント:
横浜市が民間企業に示したテーマに対し、公民連携事業提案やアイデアを募集する仕組。
この事業では、地域防災拠点に指定されている横浜市内の小中学校(全18校を予定)に10kWhの蓄電池設備を設置し、東芝が開発した蓄電池群制御システムにより、平常時には電力需要調整のために東京電力EPが活用、非常時には防災用電力として横浜市が使用するという。
なお、この協定の締結期間は、この7月6日から平成30年3月31日までとしている。
太陽光発電などとの連系検討で「エネルギー循環都市」へ
横浜市は、YSCP 実証事業を通じたHEMSやBEMS等の積極的導入により、地域レベルでのエネルギーマネジメントを高いレベルで展開している。再生可能エネルギー等の分散電源が市内全体の電力使用量の約10%あり、今後は最適なフィールドでVPP構築の有効性を検証するとしている。
また、この事業を公共施設など市内施設へ展開、太陽光発電などとの連系検討による「あかりの途切れない拠点づくり」を目指し、再生可能エネルギーを最大限に活用できる「エネルギー循環都市」へ向けた取組に貢献していくとのこと。
(画像はプレスリリースより)

横浜市など3者のプレスリリース
http://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/