小型で移動・設置が簡単 水没対策で柱に取り付けも可能
複合機、ミシン等の製造・販売を行うブラザー工業は7月8日、同社初となる燃料電池システムを開発したと発表した。同システムは、同社が複合機等の開発において蓄積してきた小型化技術や電源制御技術のノウハウを活用して開発されたものだ。
定格出力電圧はDC12~21ボルト、最大負荷容量は880ワット、連続運転時間は72時間以上で運転寿命は累積で2万時間。なお、起動時には電力を必要とする。起動電力はDC24ボルト。電源容量は約15.8キロワットアワー。
同システムの特長は、小型で設置しやすい点だ。リチウムイオン電池を使用した同じ給電量の従来型非常用電源と比較すると、体積は約6分の1、重量は約4分の1となっている。移動や設置が簡単で、水没対策として柱に取り付けることも可能だ。
さらに、同システムは、燃料ケースを入れるだけで簡単にセットが完了する。6ケースの燃料で約1日稼働する。
エンジンは水冷方式採用 電圧が下がらず、安定的に給電
また、連続運転72時間以上を実現した。エンジンは水冷方式を採用していることから、電圧が下がらないため安定的に給電できる。
そのうえ、水素吸蔵合金と呼ばれる特殊な金属に水素を貯蔵していることから、燃料である水素が劣化せず、長期の保管が可能となっている。
同社は、同システムの主な用途を災害時の非常用電源としているが、今後は、あらゆる場面において活用されることを目指している。
(画像はプレスリリースより)

ブラザー工業(プレスリリース)
http://www.brother.co.jp/news/2016/160708_fuelブラザー 燃料電池システム
http://www.brother.co.jp/product/fuelcell/index.htm