再エネを最大限活用した電力系統の安定制御を実現
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月27日、天候により出力変動の生ずる再生可能エネルギー(再エネ)を安定して最大限活用するため、太陽光発電の遠隔出力制御システム開発に着手すると発表した。
2015年1月の再エネ固定価格買取制度の省令改正により、新たに系統連系する太陽光発電と風力発電などに遠隔出力制御システムの取り付けが義務づけられた。このためシステムの標準化と低コストでの実用化が求められていて、通信回線を用いた出力制御を行う遠隔出力制御システムの開発と実証試験を始めるという。
再エネを最大限活用した電力系統の安定制御を実現
先ず、電力会社の中央給電指令所などで地域内に分散している太陽光発電設備の発電出力を把握し、これを踏まえた出力制御の指令を行うための機器や発電出力のマネジメントシステムを構築するための実証試験を行う。
また、エネルギーマネジメントシステムや蓄エネルギーとの連動などを踏まえた需給制御手法の開発と実証、自端制御機能を備えたPCS(パワーコンディショナー)4機能の高度化開発も行う。これらを通じ、再エネを最大限活用した電力系統の安定制御を実現するという。
事業では、経済産業省新エネルギー小委員会(系統WG)の設定した遠隔出力制御システム要求仕様に従いシステムを開発し、出力制御の実運用に向け公平性と運用実行性を確保するため、系統運用者側のシステムの高度化を図る。システムの有効性を評価し、再エネ発電設備の出力制御手法を確立する。
また、デマンドシフトなど出力制御のためきめ細かな制御技術が必要で、この研究開発により再エネ発電設備の出力制御手法の高度化を目指す。そして、スマートインバーターや分散型電源マネジメントシステムなど、分散側電源遠隔制御高度化に関する研究開発も行うとのこと。
(画像はプレスリリースより)

NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100589.html