中小水力発電所の初期開発費用を軽減
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)は、かねてより公募していた平成28年度「中小水力・地熱発電開発費等補助金」の中で、中小水力発電開発事業に係わる補助金の交付先が決定したことを発表した。
我が国でも導入が推進されている再生可能エネルギーの中でも、環境負荷の小さい純国産エネルギーである水力発電の開発に注目が集まっているが、中小水力発電は、開発地点の小規模化と奥地化により建設費用が増大するという課題がある。
そこで、建設費の一部を補助することによって、初期発電原価の引き下げを実現させ、発電所の開発と導入が推進されることを目的として、同補助金が計画されたもの。
費用の補助率は、「水力発電施設の設置等事業」の場合は設置等費用の10~20%(特例で10%割り増しもあり)で、「水力発電施設の設置等に係る新技術の導入事業」の場合は、最大で新技術導入費用の50%となっている。
厳正な審査により申請事業6件をすべて採択
交付先は6件で、すべてが継続案件。まずは、秋田県の事業である「成瀬発電所建設事業」で、最大出力は3,900キロワット。成瀬ダム建設事業の一環として行うダム式発電所建設事業である。
2番目は、山口県企業局による最大出力1,100キロワットの「平瀬発電所建設事業」。錦川総合開発事業の一環として行うダム式発電所建設事業。3番目は、九州電力株式会社の「新甲佐発電所建設事業」で最大出力は7,200キロワット。甲佐発電所の再開発事業の一環として行う水路式発電所建設事業。
4番目は、電源開発株式会社の「新桂沢発電所建設事業」で、最大出力は16,800キロワット。幾春別川総合開発事業の一環として行われるダム水路式発電所建設事業である。5番目は、東北電力株式会社による「津軽発電所建設事業」で最大出力は8,500キロワット。津軽ダム建設事業の一環として行われるダム式発電所建設事業。
6番目は、ほくでんエコエナジー株式会社による「サンル発電所建設事業」で最大出力は1,100キロワット。天塩川総合開発事業の一環として行われるダム式発電所建設事業、となっている。

一般社団法人新エネルギー導入促進協議会
http://www.nepc.or.jp