ブラジル燃料事情に対応した高圧燃料ポンプがVWに採用
日立オートモティブシステムズ株式会社(以下、日立AS)は6月24日、同社の高圧燃料ポンプがフォルクスワーゲン(VW)社に採用されたと発表した。
この高圧燃料ポンプは、日立ASがブラジルのエタノールを主体とした燃料に適合させるために開発を行ってきたもので、これまでの実績がVW社に評価されたことから、VW社が同国内で生産する車両に搭載されることになったという。
ブラジルは自動車販売台数の約90%がフレックス燃料車
ブラジルでは現在、バイオマスとなるサトウキビを原料とするエタノール燃料の車両が開発・販売されていて、自動車販売台数の約90%をフレックス燃料車(ガソリンやエタノールなどを混合した燃料で走行する車)が占めるまでになっている。
これは、1973年の石油危機を契機に、同国政府が「国家アルコール計画」を推進していることによっている。
しかしエタノール燃料は、自動車の燃料機器に対して劣化や損傷を引き起こし易いことが課題としてあり、これには、ガソリンに比べ腐食性や壊食性の高いことが起因していた。
そこで同社は、適切な材料選択と併せポンプ構造最適化を行うことで部品耐久性を向上させた結果、25MPaの高燃圧と100%エタノール燃料への対応が可能になったほか、脈動騒音の少ない構造を採用することにより静音化も図ったとのこと。

日立オートモティブシステムズ株式会社 プレスリリース
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