2階建てEVバスシステム実証を世界に先駆け実施
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は6月6日、マレーシアのプトラジャヤ市で、重量制約上これまでEV化が困難とみられていた大型2階建て(ダブルデッカー)EVバスシステムの実証を、世界に先駆けて実施すると発表した。
また、同市と新たな実証実施の協力を進めることで合意し、基本協定書(MOU)の改訂を6月3日に行ったという。
マレーシアの行政首都である同市は政府機関が集中していて、都市計画としてグリーンシティを掲げている。このため同市では、都市交通システム効率向上でのスマート化を図るとともに、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指している。
今回、これまでNEDOが同市とともに2015年度から行っている実証事業に加え、ダブルデッカーEVバスシステムでの実証を新たに始めるもの。
都市交通パッケージ事業の広域展開を目指す
ダブルデッカーバスは、道路占有面積・運転手あたりの輸送能力が高く、マレーシアほかアジアの人口過密地域で同バスの導入が進んでいるが、バス車両重量が道路の重量制約上限値に達してしまうことから、これまで同バスのEV化は困難とされてきた。
今回、同市の協力を得て、最適な容量の蓄電池搭載と10分間充電を実現する大電力充電技術により、ディーゼル並みの運行性能を有する大型のダブルデッカーEVバスを開発し、世界に先駆けて同バス2台を用いたEVバスシステムの実証を行うという。
なおこの実証は、株式会社東芝などの4社と、マレーシアのバス運行会社であるPAPSB社が共同で行うもので、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化とともに、同事業をショーケース化することで、マレーシアがASEANのEVハブとなることに貢献し、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100581.html