フライホイール技術使用のハイブリッド蓄電システム
横河電機株式会社は、同社のイギリスにある子会社、ヨコガワ・ユナイテッド・キングダムのアイルランド支店が、アイルランド、オファリー州のハイブリッド蓄電池システムを電力系統に接続させる実証試験プラント向けに、制御システムを納入したことを発表した。
今回行われる実証試験は、高エネルギー電力バッテリーやフライホイール蓄積システムを取り扱うSchwungrad Energie社と、リムニック大学が共同でハイブリッド蓄電システムを開発し、電力系統に接続させるもの。
実証試験は、ヨーロッパで初のフライホイール技術を使用したハイブリッド蓄電システムの実証試験であり、2016年2月から行われる予定。
電力需給バランスを安定化
実証試験のシステムは、Beacon Power社製のフライホイール蓄電装置と日立化成製の鉛蓄電池を組み合わせたハイブリッド蓄電システム。
フライホイール蓄電装置は、ホイールを高速回転させてエネルギーを蓄電し、電力系統で超過または不足している電力を迅速に吸収したり供給したりする。これに対し、鉛蓄電池は、長時間安定した放電を提供できる。
ハイブリッド蓄電システムは、この2つの異なる方式のシステムを組み合わせたことで、それぞれの長所を生かし、電力系統における需給バランスの変動軽減を実現。実証試験では、最大入力400キロボルトアンペア、最大出力422キロボルトアンペアの実現を目指している。
高度制御管理システムを提供
横河電機は、このシステムの蓄電料や充電と放電量を監視・制御する、レンジフリーコントローラ「FA-M3V」とSCADAソフトウェア「FAST/TOOLS」、プラント情報管理システム「Exaquantum」を提供した。
横河電機は、これまでも、ブラジルのバイオマス発電プラントの制御システムや、サウジアラビアの大型コンバインドサイクル発電所の制御システムなど、電力関連のソリューションを、世界各国に向けて展開している。

横河電機株式会社 プレスリリース
http://www.yokogawa.co.jp横河電機株式会社 電力ソリューション
http://www.yokogawa.co.jp/power/index.htm