環境省委託事業でバイオマス混焼率25%(熱量比)を実証
株式会社IHIは12月2日、石炭焚火力発電所にて木質ペレット燃料を使い、2015年11月に熱量比率25%(重量比33%)のバイオマス混焼での安定運転を達成したと発表した。
これは、環境省の委託事業である「バイオマス高比率混焼による石炭焚火力CO2排出原単位半減に向けた先進的システムの実証」として、新日鐵住金釜石製鐵所のエネルギー工場(出力:149MW)で行っていたもの。
カーボンニュートラルであるバイオマスの活用は、環境負荷の低減につながることから石炭の代替燃料として注目されていて、同社も相生事業所内の自社試験設備で、バイオマス高比率混焼に関する研究開発を進めてきた。
混焼比率50%以上でのCO2排出原単位半減に見通し
今回の実証試験では、IHIの取り組みとともに、独自にバイオマス混焼に取り組んできた新日鐵住金の積極的な協力・支援を受け、国内最大級のバイオマス発電出力(36MW)が高効率で達成できたもの。
なお、今回実証された燃焼方式は、既存の発電設備に小規模な改造を加えることで現状数%程度に留まっているバイオマス混焼率を格段に引き上げることが可能で、混焼比率を50%以上としてCO2排出原単位を半減することも技術的に可能という。
今後は、国内で稼働している多くの石炭火力発電所に適用されることが期待され、また同社はこの成果を活かし、実機設計を行って2017年度の商用運転開始を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社IHI プレスリリース
https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2015/press/