水力を除く国別の導入量
自然エネルギーが世界でもっとも導入されているのは中国です。中国は2006年再生可能エネルギー法が施行され、様々な優遇措置と電力買取の義務付けにより2000年代後半から急速に導入されました。2014年の導入量は153GWでこれは世界の23.2%にあたります。
世界第2位はアメリカで105GWす。アメリカは自然エネルギーで世界をリードし続けてきました。そして2007年にスタートしたエネルギー政策によりその普及率は急勾配に増加しています。導入量では中国に追い抜かれましたが、発電量ではいまだに中国を石油換算量で1000万トン以上の差をつけてトップです。
世界で3番目に導入量が多いのはドイツで86GWです。ドイツは早くから買取制度の導入をおこない、太陽光発電では2005年に日本を抜きトップに立ちました。このドイツでは電力総消費量の約25%を自然エネルギーで賄っています。
世界で自然エネルギーの普及率は、この3つの国で約半数以上を占めています。それ以降の順位は、イタリア、スペイン、日本、インドですが、導入量は30GW少しとほぼ横一線に並んでいます。
風力発電の導入量
世界の自然エネルギーの中でもっとも普及しているのは風力発電です。世界全体でこの風力発電の導入量は370GWあります。これは自然エネルギーすべての56%にもなります。国別にみるとトップは中国で115GW(31.1%)です。次にアメリカで66GW(17.8%)、ドイツの39GW(10.5%)と続きます。
風力発電は、2000年には17GWが導入されていました。2005年までは年間1桁GWの導入量でしたがその後2桁GWずつ増加し、最近では毎年40~50GWずつ導入されています。この発電は発電コストが安価というメリットがあり、洋上風力を含め今後も増加が予想されます。
太陽光発電の導入量
2番目に多い自然エネルギーは太陽光発電で、世界の導入量は177GW(自然エネルギーに占める割合は26.9%)あります。国別ではドイツがトップで38GW(21.5%)導入されています。次に中国で28GW(15.8%)、3位に日本が23GW(13%)と続きます。
太陽光発電は、2004年時点で3.7GWしか導入されていませんでした。その後もゆるやかに普及していましたが2010年頃から急速に導入が進み、2014年には177GWと4年で約137GWも導入されています。
バイオマス発電の導入量
3番目はバイオマス発電で、発電容量は93GW(自然エネルギーに占める割合は14.2%)です。ただしこのバイオマス発電は、設備利用率が高く約50%以上あります。このため発電量は4330億kWhで、太陽光発電の約2倍あります。
バイオマス発電の導入量は、アメリカが世界のトップで16.1GW(17.3%)あります。次に中国が10GW(10.8%)で、ドイツが8.8GW(9.5%)と続きます。ただバイオマスの資源は木や農作物が多いことから、資源の消費量が適正な水準を超えないよう監視する必要があります。
世界の自然エネルギーの導入量
今世紀に入り世界は、地球温暖化の抑制と化石燃料枯渇の問題解決のため、盛んに自然エネルギーが導入されています。2004年に世界で初めてとなる自然エネルギーの国際会議が開かれましたが、その当時世界の自然エネルギーの導入量は、85GWしかありませんでした。(水力を含まず)
しかし10年後の2014年には約7.7倍の657GWに増加しました。水力も含めると1712GWになります。出力だけの比較では原子力発電の1712基分に相当します。またこれは世界の全電力供給量の約6.2%を自然エネルギーで賄ったことになり、水力を含めると全電力供給量の22.8%にもなります。