自然エネルギーの種類
自然エネルギーを利用した発電は、電気の取り出し方によって2種類に分けられます。1種類は太陽光発電のように自然エネルギーから直接電気を取り出す方式です。この方式で取り出した電気は直流になります。
もう1種類は自然エネルギーをタービンや水車などによって、回転運動に変換して電気を取り出す方式です。いわゆる電気を流すとモーターが回る逆の原理です。この方式で取り出した電気は、家庭で使用されているような交流になります。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電の太陽電池パネルは半導体で出来ています。半導体とは、何か条件を与えると電気を流す物質のことです。太陽電池は光を与えると+が集まるP型半導体と、-が集まるN型半導体が合わさった形になっています。つまり光が当たると一方は+になりもう一方は-になります。
したがって、この両端を電線でつなぐと電気が流れます。この太陽光発電の変換効率は、10%~20%と他の自然エネルギーに比べて低くなっています。しかし設置が比較的容易で、小規模から利用可能なメリットがあります。自然エネルギー全体に対する導入割合は世界で約25%あり、今後さらに増加傾向にあります。
風力発電の仕組み
風力発電は、ブレードと呼ばれる羽で風を受け、その回転運動を電気エネルギーに変換して発電する方式です。この方式の発電効率は比較的高く、25%~40%あります。また自然エネルギー全体に対する導入割合も世界で約50%以上の過半数を上回っています。
ただし近隣の環境に対する影響や、バードストライクなど生態系への問題があり、現在は人の少ない地方や、洋上にウィンドファームと呼ばれる大型設備を設置する方式が増えています。
バイオマス発電の仕組み
バイオマス発電は、木材や産業廃棄物など生物由来の燃料を燃やして蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発電する仕組みになっています。燃焼の過程でCO2を排出しますが、もともと自然界から取り入れたCO2なので、温室効果ガスの増加にはカウントされません。
この発電方式の効率は20%~25%しかありませんが、発電後の熱を温水として回収し利用すれば、エネルギー転換効率は70%も可能です。自然エネルギー全体の導入割合は世界で15%程です。
地熱発電の仕組み
地熱発電は、地下水がマグマで温められて噴出した蒸気や温泉水を利用して、蒸気タービンを回し発電する方式です。発電効率は10%程しかありませんが、この発電方式も発電後の熱を温水として有効利用が可能です。
この発電方式は、自然エネルギー全体に対して2%ほどの発電割合しかありませんが、フィリピンやインドネシアなど発電資源の少ない国にとっては、非常に有効な発電方式です。また日本にとっても源泉を利用したバイナリー発電が、規制緩和によって導入が容易になり、今後いっそう期待されます。
今後の自然エネルギー
自然エネルギーは、太陽の光を利用するもの、地球の自転を利用するもの、地球そのもの熱を利用するものに分けられます。これらのエネルギーは枯渇することのないエネルギーです。未来に悪影響を残さないよう、自然を大切にすることが重要です。