噴気能力や地下温度、流体の化学成分を調査
出光興産株式会社、国際石油開発帝石株式会社、三井石油開発株式会社の3社は10月5日、地熱発電の事業化に向けて2011年より調査を開始していた北海道赤井川村、阿女鱒岳(あめますだけ)地域において、構造試錐井(しすいせい)の仮噴気試験をおこなったと発表した。
同地域はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がおこなった予備調査では、地熱発電が可能といわれる200度以上の地下温度が確認されていた。
プロジェクトでは同試験を通じて、井戸の噴気能力(蒸気量)や地下温度、流体の化学成分や井戸周辺の透水性などについて、詳細な検証作業をおこなう。
2021年度には発電所の建設開始か
今回の試験は、2011年度に完了した第1段階(地表地質調査・重力探査・電磁探査など)に続く第2段階の一部となる。これは構造試錐井の掘削をおこない、地質構造や地下温度および透水性などを調査し、その後同エリアの温泉井で、温泉水の温度・湧出量・化学成分などを調査する。
試験は構造試錐井(調査用の井戸。2013年より掘削)のうち、2013年度に掘削した深さ2,000mのAME-1号井と、2015年掘削したAME-3号井を使用して、2015年10月1日より仮噴気試験を始めている。当日は1時間当たりに蒸気20t、熱水100tの噴出が確認されている。
現状では、期待する大規模地熱発電所として利用できる、200度以上の十分な蒸気と熱水を確保できると判断されることから、順調に推移すれば2021年度には発電所の建設が可能と見込んでいる。
(画像はニュースリリースより)

出光興産株式会社 ニュースリリース
http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2015/151005.pdf出光興産株式会社
http://www.idemitsu.co.jp/国際石油開発帝石株式会社
http://www.inpex.co.jp/三井石油開発株式会社
http://www.moeco.com/