オフィスビルに初導入
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、9月25日、竹中工務店が、NEDOのプロジェクトを活用し、エネルギー制御システムMSEG(multi-source energy gateway)を開発、TAK新砂ビルにて実証試験を開始したことを発表した。
これまで、分散型電源で作られた電力を、建物で利用する場合には、個別に直流を交流に変換する必要があり、効率の低下といった課題が挙げられていた。しかし、今回開発したシステムでは、その課題を克服することができるという。
システムの概要
今回開発したMSEGは、太陽光発電、発電機、電気自動車など、最近のビルに採用されている多様な分散型電源をつないで一括制御し、建物の電力消費に応じてリアルタイムに充放電することができるシステムだ。
第一のメリットは、複数の電源から作られた電力を、一括して直流制御できるため、停電時にも複数の電源から安定した電力供給を行うことができること。
また、時間とともに変化するビルの電力消費に柔軟に対応し、ビルの電力需要を最適に調整できることである。
一括制御で電力安定供給に
竹中工務店は既に、アイケイエスと共同で、パワーコンディショナー機能とバッテリー機能を一体化した「SiCパワー・モジュール搭載型コンポーネント」を開発。充放電時の電力ロスを約40%削減可能にしている。
今後は、実証データの検証をさらに進め、災害等緊急停電時においてもエネルギーマネジメントの需要性が高い、オフィスビルや学校、駅ビルなどに、MSEGを提案していく計画だ。
(画像はニュースリリースより)

NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100457.html