期待とは裏腹に
近年、世界各国が再生可能エネルギー利用の普及に向けて積極的な取り組みを行っています。これまでは主に石油や石炭などの化石燃料が使用されてきました。しかし、有限な資源の枯渇や環境問題などの懸念もあり、化石燃料を問題視する声が増えています。そんな中、問題を解決する新しいエネルギーとして再生可能エネルギーは期待されています。
しかし、再生可能エネルギーは環境問題を改善するのではなく、むしろ環境破壊を引き起こすと主張する人も少なくはありません。再生可能エネルギーは今後主力となるエネルギーとして期待されており、良い側面ばかりが取り上げられています。
ただ、忘れてはいけないのが「物事には良い面もあれば悪い面もある」ということです。悪い面にも目を向け、理解した状態で取り組まないと後になって思わぬ出来事が起こることもあります。そのような事態を招かないためにも、再生可能エネルギーのマイナス面も知る必要があります。
環境を破壊している理由
1.物質による環境汚染
太陽光を利用するソーラーパネルには有害物質が含まれています。実際過去にも中国のソーラーパネル製造工場から有害物質が漏れていたという問題があり、このことは自然環境に与える影響を考えると害悪です。
また、ソーラーパネルには寿命があり、使われなくなったものは廃棄物となります。今後再生可能エネルギーがさらに普及することで大量の産業廃棄物が生み出されるおそれがあります。
2.景観を損ねている
太陽光発電所の設置には広い土地が必要です。大自然の中に設置することが多く、場合によっては樹木を切り倒して土地を作ることもあります。もともと美しい自然環境があった場所に発電所が設置されることで、美しい景観が損なわれてしまうという問題が生じてしまいます。発電所の設置をめぐって、事業者と近隣住民の衝突することもあります。
3.自然にも自然エネルギーは必要
自然は自然エネルギーを循環させながら生まれています。たとえば、ありとあらゆる生物は太陽エネルギーがないと生きていけません。ソーラーパネルを設置するということは、生きるのに必要な太陽エネルギーが奪われてしまう生物もいるということです。このように、自然は循環する自然エネルギーを利用して生まれているため、それが奪われてしまうと新たな問題が生じる可能性があります。
慎重な検討が必要
再生可能エネルギーは今後私たちの社会で大きな役割を担っていくものであることは間違いありません。しかし、期待するばかりで危険性に目を向けないと環境破壊を招くおそれがあります。その危険性を考慮したうえで慎重に活動を進めていくことが求められています。