エネルギー自立型の施設導入を推進
神奈川県では、エネルギーの地産地消に向け、エネルギー自立型の住宅やビル、街の実現を目指した取り組みを推進している。その取り組みの一環として、「分散型エネルギーシステム導入事業」および「地域電力供給システム整備事業」について事業計画の公募を行っていたが、今回それぞれモデル事業を決定した。
分散型エネルギーシステム導入事業
この事業では、アイダエンジニアリング株式会社と日本乳化剤株式会社の2社が採択された。
アイダエンジニアリングは、相模原市にある本社工場において、390キロワットの高効率コージェネレーションシステム2基とジェネリンク(温水投入型のガス吸収式冷温水器)を新設し、発電した電力と廃熱温水を有効利用して冷温水を発生させる。
発電電力は、工場構内の事務所や工場11施設で利用するとともに、冷温水を各ゾーンに供給して空調に利用していく。また、空調用冷温水の温度差や施設の空調負荷を常時監視し、負荷に応じてジェネリンクからの送水温度を制御し、稼働効率の向上や消費エネルギー削減など、事業全体の省エネルギー化を量る。
日本乳化剤の事業は、川崎工場において、390キロワットの高効率コージェネレーションシステム1基を新設し、発電と同時に蒸気を発生させるもの。
発電した電力は、事務所と工場4施設で利用するとともに、蒸気は製造施設に供給し、薬品の化学反応など製品の製造に利用していく。
地域電力供給システム整備事業について
この事業では、株式会社エナリスと湘南電力株式会社の共同事業、株式会社東芝と芙蓉総合リース株式会社との共同事業の2事業が採択されている。
エナリスの事業では、県内の太陽光発電所から電力を調達し、優遇価格で湘南電量に売電、県内需要家に、湘南電力からの安価な電力供給を提案していく。さらに、湘南電力の売上げの一部を湘南ベルマーレの地域貢献活動への支援金とすることで、地域振興へ寄与する。
東芝の事業では、関連会社の東芝プラントシステムが、芙蓉総合リースと機器リース等で協力しながら、県内建物の屋根へ太陽光発電設備を設置して発電を行う。電力は、東芝に優遇価格で売電され、県内需要家に安価で電力供給が行われる。
(画像はプレスリリースより)

神奈川県
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