年間60万人死亡する大きな要因は「電力」へのアクセスができないこと
国連の前事務総長アナン氏が議長を務める、南アフリカの世界経済フォーラム「アフリカプログレスパネル」が金曜日、気候とエネルギーに関する2015年最終報告書を発表した。
報告書は、アフリカが開発を加速させ、地域のエネルギー危機に対処しながら、地球温暖化に適応する必要性に焦点を当てている。
報告によれば、アフリカで、年に60万人が死亡している要因は、子どもたちにおいては、ほぼ50%、調理用炭や薪の燃焼に起因する家庭の大気汚染によって引き起こされている。これは6割のアフリカ人が電気へのアクセスができない状況に起因する、としている。
中間報告は、高い税金に対して援助が為され、補助金のタックス・ヘイブンへの不法な転送を取り締まることができれば、アフリカが化石燃料を迂回し、電源の低炭素化にまっすぐ移行することができる、としている。
さらに提言は、エネルギーへのアクセスを欠いている、6割の人々に低コストの太陽電池パネルを提供するために、新しい200億ドルの融資支援を国際社会に要請した。
アフリカが、発電の新たな時代に追いつくことができる方法について説明し、再生可能エネルギーは、農業の生産性を向上させ、気候変動への回復力を向上させ、危険な炭素排出量の長期的な削減に貢献する機会を創出する、「トリプルウィン」としてのメリットを強調した。
アフリカは再生可能エネルギーの「金鉱」
報告書は、雇用創出や雇用の可能性に触れていないが、全世界で770万人がこの新しい、再生可能エネルギー産業で採用されている。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)のレポートによれば、昨年より650万人、率にして18%の増加となっている。
最大の再生可能エネルギーの雇用が最も増加している10カ国は、中国、ブラジル、米国、インド、ドイツ、インドネシア、日本、フランス、バングラデシュ、コロンビアだ。
アフリカの場合、再生可能エネルギー関連の雇用は、ケニア、モロッコなど一部の国を除いて、全体として低いままとなっているという。
アフリカ大陸は、再生可能エネルギーにおける「金鉱」といって過言でない、豊富な太陽光発電や風力資源がある。国際エネルギー機関(IEA)レポートによれば2040年、再生可能エネルギーは、大小様々の発電方法により、すべての発電容量の40%以上を提供することができる、と報告している。
グリーン・ジョブで雇用創出
バングラデシュのケースでは、ソーラーホームシステム(SHS)のインストールが380万台と、10年で急速に成長し、2000万人以上の人々が恩恵を受けてきた。
5万人の雇用がもたらされ、農村部での太陽光発電の利用により電力へのアクセスが可能になった。また、2014年には、少なくとも11.5万人の雇用へ拡大したという。
同様、それ以上に、豊富な太陽光発電や風力資源があるアフリカの潜在能力は、大きい。
液体バイオ燃料は、世界全体でおよそ180万人の大規模な雇用力を発揮する。ブラジルにおいては、84万人の雇用を有することを報告している。
機械収穫の処理能力を持つ国は、雇用が制限されてしまうかもしれないが、それでもインドネシアの労働集約的なパーム油ベースのバイオディーゼル産業は、22.3万人の仕事を産出している。
このことは、アフリカの将来を予想するにあたって、非常に有益である。赤道域は、その気候条件、多くの植物に関連する成長条件に、栽培エネルギー作物からバイオ燃料のための最大の可能性を提供する。
サトウキビ天水の生産において、マダガスカル(58億リットル)、ウガンダ(37億リットル)、およびモザンビーク(30億リットル)が全体の80%を補っており、最も高い可能性を示すという。
また、高品質の風力資源は、いくつかの領域、主にアフリカの角、東部ケニア、サハラ・南アフリカの部分を境に西部・中部アフリカの一部に限られるが、ソマリア、スーダン、リビア、モーリタニア、エジプト、マダガスカル、ケニアといった国は大いに資源をもっている。
アフリカの将来を、様々の再生可能エネルギーの側面から、フォーラムパネルは、楽観的な報告をしている。
(画像はプレスリリースより)

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