バイオマスとは
英語でbio(バイオ)は生物、mass(マス)は量という意味です。バイオマスを直訳すれば生物量ということになりますが、一般的には植物や動物のエネルギー資源のことをバイオマスと呼んでいます。
バイオマス発電の仕組み
バイオマス発電は、バイオ燃料を直接燃焼させて蒸気タービンを回し、そのときの回転エネルギーから電気を取り出す仕組みになっています。これは火力発電と燃料が違うだけで、発電の仕組みは同じです。
このほかバイオ燃料を、メタンなどのガスに変えて発電する方式もあります。この発電の特徴は、ガスを作ったバイオ燃料の残りかすが、雑草種子や病原菌が含まれない安全な肥料として二次利用できることです。
バイオマス発電も燃焼によって二酸化炭素が発生しますが、もともと炭素は光合成によって生成されたものなので、大気中全体の二酸化炭素の量には影響を与えていません。これをカーボンニュートラルと呼んでいます。
バイオ燃料の種類
バイオ燃料は、下水汚泥や家畜糞尿などメタン発酵ガスとして使用するもの、間伐材等由来の木質バイオマス、製材廃材や輸入材の一般木質バイオマス、もみ殻や稲わらなどの農産物残さ、建築資材の廃棄物、木くずや紙、食品残さなどの一般廃棄物があります。
そして国が行っている固定価格買取制度では、これら燃料の種類によって収支が異なるため、電力会社が買取る調達価格は40円から17円と幅があります。
バイオマス発電の効率
バイオマス発電の電気への変換効率は、20%から25%ほどです。これは太陽光発電の10%から比較すると高い数値ですが、風力発電の40%と比較するとかなり低いようです。
ただし熱の回収装置と併用すれば70%を超えることも可能なので、暖房や給湯など熱の需要先を見出せれば、今後有効なエネルギー源となります。
これからのバイオマス発電
資源エネルギー庁のエネルギー白書2014によれば、日本のエネルギー自給率は約6%で、残りの94%は輸入に頼っているそうです。(キッズページ~エネルギーを知ろう~にも図で詳しく書かれています。)
東日本大震災前の2010年には自給率は20%近くありました。しかし震災で福島原子力発電所の事故が起こり、全国の原子力発電所が発電を停止しました。その後、電気は化石燃料の輸入に頼り、燃料の自給率は減少の一歩をたどっています。
2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始され、太陽光発電の普及は急速に伸びてきました。しかしバイオマス発電は設備費用が高いのであまり伸びていません。しかしいま、日本はどこの自治体もゴミの問題を抱えています。バイオマス発電の発展は、このゴミ問題も解決できる有効な手段です。