アレイって?
太陽光電池には、「セル」「モジュール」「アレイ」という3つの構成単位がある。太陽電池の最小単位は「セル」といい、太陽電池素子そのもののことを指す。次にセルを屋外で利用できるように樹脂や強化ガラスなどで保護し、1枚の太陽光パネルになったものを「モジュール」と呼ぶ。さらにこの太陽光パネル(モジュール)を複数枚並べて接続したものを「アレイ」と呼ぶ。
では実際どのようなアレイが一番効率よく発電できるのだろうか。
最適な設置角度は?
最大限の発電量を得るのにはパネル面を地面と30°の角度に南向きに取り付けるのがいい、ということをよく耳にすることがある。確かに年間の日当たりを考慮すれば南向きに取り付けるのがベストである。だが、これは30°というのはあくまでも日本全国の平均値である。例えば日本最北端の最適勾配は45°で最南端では20°が最適とされおり、北と南では最適勾配が25°も違ってくるのだ。ちなみに東京の最適勾配は35°だ。
しかし、実のところ傾斜角度を10°変えたところで発電効率は1~2%ほどしか変わらない、ということが知られている。そのため、パネル面の角度をあまり重要視しないケースもあるのだ。あえて最適勾配を無視する例を次に紹介しよう。
あえて最適角度をとらないケースも
屋根に設置する場合、その屋根の角度に合わせることがほとんどであるが、地上に配置する場合などは、傾斜角を工夫して太陽光パネルをたくさん並べるという策略も存在する。
地上に太陽光パネルを配置する場合ではパネルの影が被らないように、目安として設置されたパネルの高さの2倍の間隔をあけてアレイをつくる。もちろん、傾斜角が小さければ小さいほどアレイの間隔は狭まる。究極、太陽光パネルの傾斜角を0°にしてしまえば、パネルを敷き詰めることができるのだ。
このようにパネルの角度を小さくすれば、多くの太陽光パネルの設置が期待できると解説をしてきたが、逆に豪雪地帯などは傾斜角を大きくしたほうがよいケースもある。もともと日本海側などの豪雪地帯は高緯度ということで最適勾配も高くなるが、それだけではなく傾斜角を大きく保つのは積雪の影響をうけにくくさせるという効果も期待できる。冬の間、太陽光パネルの上に雪が積もってしまえば、その部分の面では発電が出来なくなってしまう。傾斜角を大きくしたほうがよいケースもあるということを、頭に留めておいてほしい。
このようにパネルの角度については様々な考え方があるが、どのようにすればいいのか迷った際には信用のおける業者に相談をしてみるのもひとつの手だろう。
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