風力発電の風車にはどんな種類があるの?
風車はその構造により、大きく分けて二つの型に分かれます。水平軸型と呼ばれるものにも様々な形をとるものがあり、プロペラ型、多翼型、セイルウイング型、オランダ型が含まれます。
様々な風車
私たちがよく見かける3枚羽根の風車はプロペラ型で(他にも2枚羽根、5枚羽根のものもあります)、ここに含まれており、大きさの大きいものはほとんどがこれです。エネルギーの変換効率が一番良いとされ、大型化しやすいため広く普及していますが、ブレードを風の吹く方向へ向けなければいけないという特徴があります。
多翼型は羽根の枚数が多いため弱い風をとらえやすく、弱い風でのエネルギー変換効率が良いとされ、使い分けられています。セイルウイング型というのは、三角形の帆で構成される特徴的な形をしており、地中海で製粉や揚水に利用されています。
オランダ型は布を張った木製の羽根をしたものが代表的で、オランダの観光シンボルとなっています。一方、垂直軸型とよばれるものには、ダリウス型、ジャイロミル型、直線翼型、サボニウス型、パドル型、クロスフロー型、S型ローター型が挙げられます。
垂直軸型は、風の方向に関係なく発電できること、弱い風でも発電ができることを特徴とします。また、強風でも騒音を出さないことから、都市部での発電に向いているとされています。ダリウス型は、曲がったブレードを回転軸に取り付けたもの。
ジャイロミル型は風車飛行機の羽根と同じ断面をもつ垂直翼形の風車です。直線翼型は板状のまっすぐな翼を回転軸に取り付けたもので、理論的にプロペラ型に近い出力係数を持つとされ、注目されています。
サボニウス型は、半分に切った円筒を互い違いに組み合わせたもの。パドル型はエネルギー効率が悪く、シンボルやモニュメントとして利用されるケースも多いようです。クロスフロー型は主に換気用で、公衆トイレで見かけるタイプです。
S字ローター型は、S字に曲げた板を回転軸につけるだけで、簡易に作れる風車です。価格は、風力発電で有名な三重県青山高原の風力発電で、具体的には公表されていないようですが、1基5億円ほどになると言われています。このクラスで1基あたり2000kWの発電をするので、25万円/kWということになります。家庭用のものですと、エネルギー単価は高くなりますが、安いものでは10万円台から販売されているものもあります。
大きさは750kWクラスで羽根の直径50.5m、高さ50mほど。1基で585世帯分の電力に相当します。2000kWクラスになると羽根の直径80m、高さは65.4m。1基で1560世帯分にもなります。発電機にも種類があり、磁石が回転することによって電気を発生させる同期発電機や、流れる電流に対して電気を止めようとする磁界を発生させる誘導発電機などがあります。