地熱発電の仕組み
再生可能エネルギーのなかでも、日本での活用が注目されているのが地熱発電エネルギーです。
自国に埋蔵エネルギーが少ないのが日本の悩みですが、実は火山国であるため、地下に莫大な地熱資源を持っています。マグマで高温になったエネルギーを地熱流体といい、これを活用すれば半永続的に発電できるとして注目を集めています。
地熱発電は地中深くに井戸を掘って、そこから地熱流体を取り出します。その後、地熱流体を蒸気と熱水に分離し、蒸気でタービンを回して発電するのです。使われない熱水は、そのまま地中に戻されます。
地熱発電の種類
地熱発電の原理は以上のとおりですが、発電装置によって発電方法はいくつかの種類に分かれています。
現在日本で稼働している地熱発電システムで使われる主な発電方法は「
ドライスチーム」、「
シングルフラッシュ」、「
ダブルフラッシュ」、「
バイナリー」方式の4種類です。
「
ドライスチーム」は地熱で発生した水蒸気に熱水がほとんど含まれていない乾燥蒸気が出る場所に最適な方式で、熱水と分離させずに蒸気をそのままタービンに送る方法です。
「
シングルフラッシュ」は日本では、最も多く使われている方式です。地中深くから水蒸気を取り出し、これを蒸気と熱水とに分離させ、蒸気でタービンを回して電気を作ります。
「
ダブルフラッシュ」はシングルフラッシュを複雑にさせた方式で、シングルフラッシュ方式で分離した熱水に圧力をかけて、さらに蒸気を作り、これを発電に利用する方法です。本来なら地下に戻す熱水を蒸気に変えて利用するため、シングルフラッシュ方式に比べて、発電量が増加するという特徴があります。
「
バイナリー」は、高温の水蒸気が得られない場合に採用される方式です。温度の低い蒸気ではタービンを回せないため、沸点の低いアンモニアなどの媒体を使って沸騰させて、そこから発生する蒸気でタービンを回します。
通常150度以下の地熱流体の場合、分離された蒸気にはタービンを回すだけの力はありません。しかし、
バイナリー方式なら低温の地熱流体でも効率よく発電できるため、近年この方式が広まっています。