コンデンサの開発と量産化を目指す
エルナー株式会社は、青森県の特産品であるリンゴの剪定枝由来活性炭を部材として活用したコンデンサの高機能化と量産化に向けた取り組みのために、青森県産業技術センターと共同研究を行う契約を締結した。
この契約により、リンゴ剪定枝活性炭を電気二重層コンデンサ電極やリチウムイオンキャパシタ正極に適用して、さまざまな電解液と組み合わせ、より充放電性能に優れた電極設計と行うことにより、主として、車載電装用途向け高機能電気化学素子(コンデンサ)の開発と量産化を目指した研究開発を行っていく。
これは、地域の特色あるバイオマス資源を活かした取り組みとして、注目される。
廃棄する剪定枝の有効活用
これまで、青森県産業技術センターの工業総合研究所では、地域資源の有効循環活用を目指し、青森県内で年間約10万トンも発生しているリンゴ剪定枝に着目、これを活性炭に加工して、空気清浄機用脱臭フィルター等に利用することを考案し、その技術の確立に取り組んできた。
この研究において、より付加価値の高い活性炭を開発すべく、電気二重層コンデンサ等の電気化学素子への適用検討も模索していたが、エルナー社の技術によるコイン型電気二重層コンデンサに、リンゴ剪定枝の活性点を電極材料として適用したところ、現行活性炭のコンデンサと比較して、静電容量と等価直列抵抗(ESR)は同等の性能を持っていることが確認された。
今後は、リンゴ剪定枝活性炭の表面に、構造上比較的大きな細孔(メソ孔)が多く分布すると予測されていることから、この細孔を通過する電解液中のイオン移動速度が現行活性炭より早くなることが期待されている。
(画像はプレスリリースより)

エルナー株式会社
http://www.elna.co.jp/news/2015/pdf/150709.pdf