自治体と民間企業の協働事業
大分県九重町で平成26年4月から建設を進めてきた菅原バイナリー発電所が、6月29日より運転を開始した。
この発電所は、九重町が蒸気と熱水の地熱資源を提供し、九州電力の子会社である九電みらいエナジーが発電するという、国内初の自治体と民間企業が協働する地熱発電事業であり、地熱バイナリー方式をしては国内最大となる。
発電事業のスキームとしては、九重町の地熱資源を、九電みらいエナジーが利用して発電し、熱使用料金を九重町に支払う。九電みらいエナジーは発電した電力を九州電力に売電し、購入電力料金を得るというシステムとなっている。
発電出力は5000キロワットで、想定発電量は、一般家庭約8000戸分の年間使用量に相当する約3000万キロワットアワー。
バイナリー方式で低温の蒸気でも発電可能
地熱発電は、地下数千メートルの深い井戸を掘り、マグマの熱で熱くなった地熱資源(蒸気と熱水)をくみ上げて、その蒸気や熱でタービンを回して発電、熱水は井戸を通じてまた地中へ戻すというもの。
ところが、今回の菅原バイナリー発電所の位置する場所の地熱蒸気は温度が低くて100度程度であるため、低温でも発電が可能な「バイナリー方式」を採用した。
菅原バイナリー発電所では、沸点が36度と低いペンタンを媒体に利用し、地熱でペンタンを蒸発させてタービンを回して発電する。気体になったペンタンを空気で冷やして液体に戻してから、再び地熱で蒸発させるという仕組みだ。
(画像はプレスリリースより)

九電みらいエナジー お知らせ
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