発電設備の大量廃棄・排出に備えた検討会
環境省では、再生可能エネルギーの固定価格買取制度によって、大幅に導入が見込まれる太陽光などの発電施設が大量に廃棄されることに備えて、平成25年度から有識者等で構成される検討会において、発電設備のリユースやリサイクル、適正処分の推進に向けた検討を行っており、その結果について発表を行った。
この検討会が設置された目的は、大量に導入された太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー設備が使用済みとなった場合に、発電設備やシステムの排出の増加が予想されることをふまえ、発電施設のリユース・リサイクル・適正処分の体制の構築が必要となるため。
報告書の内容
平成26年度は、検討会と、その下に「フロー・経済性検討ワーキンググループ」「リサイクル特性検討ワーキンググループ」という2つのワーキンググループを設置し、検討を実施した。
太陽光発電設備では、素材や含有物調査にて、有用資源として銀、有害物質として鉛、セレン、カドミウムを確認。また、処分までのフローの中で、どこの時点、どういった業者から排出がされるかを確認、現行制度での課題も検討され、将来的な排出量の増加でルートに変化があることも課題とされた。
今後、さらに素材やフローなどの分析と検討を実施し、モデル事業を策定、コストデータ収集や費用対効果の分析を行っていく。
太陽熱利用システムでは、有用資源としては鉄を確認、有害物質については汎用的な用途のみが確認された。また、撤去や処理のフローの実態調査、消費者における取り扱いの調査を行った。
風力発電設備では、素材は、鉄や鋼、アルミ、コンクリートが挙げられ、ブレードにはガラス繊維強化プラスチック、風車には永久磁石、ネオジム、ジスプロシウムが使用されていることを確認した。ガラス繊維強化プラスチック、永久磁石、油、重金属についてはリサイクルや適正処理のために注視すべきとしている。
また、現行発電事業者へのリユース・リサイクル等に関わるアンケートやヒアリング調査を実施したことにより、今後、費用の面も含めた参考資料の作成を行っていく。
全体を通して、今後のリサイクルを含む適正処理の推進に向けて、関係者間の役割、段階的な取り組みスケジュール、ターゲット年次等を整理した検討ロードマップを作成する予定。
(画像はプレスリリースより)

環境省
http://www.env.go.jp/press/101130.html