地熱―水力のハイブリッド発電所が商用操業開始
イタリアのエネル・グリーン・パワーの子会社エネル・グリーン・パワー北アメリカ株式会社(Enel Green Power North America, Inc. 、EGPNA)は12月6日、アメリカ・ユタ州コブ・フォート(Cove Fort)において、世界で初めて地熱―水力のハイブリッド発電所が商用操業開始した、と発表した。
地熱と水力のハイブリッド発電で約1GWh増量
コブ・フォート発電所は、出力25MWの地熱発電設備で、2013年に操業を開始した。年間発電量は160GWhで、1万3,000世帯以上に電力を供給し、CO2の排出量を年間約115万トン削減している。
EGPNAは、コブ・フォート地熱発電所の地熱注入井戸に水中ダウンホールジェネレータ技術を適用し、1つの場所で地熱と水力発電の両方を実現させた。
2016年7月から9月に行った初期段階の試験結果では、水力発電機を地熱注入井戸に接続することにより、期間中に発電量が約1GWh増加した。これは、コブ・フォート発電所のエネルギー消費量の8.8%に相当する
この革新的な発電技術は、発電に利用した井戸から地面に落下する水のエネルギーを電気に変換するとともに、井戸に含まれる塩水の流れをうまく制御する。
井戸に設置した水力発電機により、塩水に対して圧力が生じることで井戸への乱流が低減し、井戸の損傷を最小にする。その結果、運用・維持管理コストを削減し、さらなる利益を生み出す。
地熱と太陽熱・光を組み合わせたハイブリッド発電所
EGPNAは、ネバダ州ファロンで、媒体エンタルピー、バイナリ・サイクル地熱、太陽熱および太陽光発電技術を、1か所で組み合わせた世界初の発電所であるスティルウォーター(Stillwater)施設も操業している。
(画像はエネル・グリーン・パワーのホームページより)

エネル・グリーン・パワーのプレスリリース
https://www.enelgreenpower.com/