再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力需給安定化に貢献する自動デマンドレスポンス技術
2016年11月22日、NEDOは、ポルトガルの国立エネルギー地質研究所(Laboratorio Nacional de Energia e Geologia、以下LNEG)と共同で、再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力需給安定化に貢献する自動デマンドレスポンス技術の実証事業を実施することに合意し、11月21日に基本協定書を締結したと発表した。
また、同日、NEDOとリスボン市は、リスボン市庁舎を含む複数施設を実証サイトとすることに合意し、施行協定書を締結した。
自動デマンドレスポンス技術は、需要家所有機器の自動運転管理による電力消費を調整する技術で、従来の手動のデマンドレスポンス技術は電力需給調整量の不確実性が問題とされてきた。
デマンドレスポンスを自動化することで電力需給調整量の確実性向上を図り、再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力需給安定化に応えることができると考えられる。
ポルトガルの再生可能エネルギーへの取組
ポルトガルは、欧州でも有数の再生可能エネルギーの大量導入国となっている。全電力消費に対する風力発電や水力発電など再生可能エネルギーの割合は、2015年に風力単独で22%、再生可能エネルギー全体で48%に達している。また、2016年5月には、国内の全ての電力消費が再生可能エネルギーで連続107時間賄われた。
今後の風力発電や太陽光発電の更なる導入のために、再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力需給安定化のニーズも高まっている。
実証事業の概要
同実証事業は、実証の核となる蓄冷技術と遠隔管理技術を保有するダイキン工業株式会社を委託先とし、ポルトガル側パートナーであるEDP、EFACEC、everis Portugalと共同で、2019年12月まで行う予定。
実証サイトとして、リスボン市内の市庁舎や研究所など複数のビルに、一部、蓄冷システムを装備したビル用マルチエアコンから構成される実証システムを構築し、自動デマンドレスポンス技術の機能を検証する。
この検証結果を踏まえて、ポルトガルをはじめとする欧州他地域における同技術の事業性を評価する。また、現地の電力小売事業者等の協力を得て、実ビジネスに近い形で実証評価を行う。
(画像はプレスリリースより)

NEDO ニュースリソース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100674.html