バイオマスによる熱供給事業等の有望地域を選定
栃木県は、平成27年度に実施した「中山間地域スマートコミュニティ導入支援事業調査委託業務」の結果について、ホームページで発表した。
この委託業務は、地域資源の有効活用、低炭素および地域活性化を目的に、バイオマスによる熱供給事業を核としたスマートコミュニティの構築に向け有望地域を調査したもの。調査結果として、3つのプロジェクトを選定、課題や段階的な整備の見通しを整理した。
1つ目のプロジェクトは、栃木市による「温浴施設等への超小型熱電供給バイオマス設備導入」。
事業内容として、超小型熱電供給バイオマス設備を導入し、温浴施設など公共4施設へ熱と電気を供給すること、設備導入により、化石燃料からバイオマス燃料への転換と、施設全体での省エネを図ること、将来的には、熱電供給の対象施設を拡大すること、となっている。年内に民間事業者の公募を実施する予定。
課題としては、乾燥チップの供給体制の構築と、エネルギーセンター設置位置等の確定と事業性精査の必要性が挙げられている。
市町等と連携し事業化に向け支援
2つ目は、さくら市による「耕作放棄地を活用し栽培したバイオマス燃料の熱利用」である。事業内容としては、民間事業者による資源作物エリアンサスの栽培とペレット製造、市の公共温泉施設でのペレットボイラー導入、将来的に、農業用ハウスなど他施設へペレットボイラー導入を拡大し、エネルギーの自給自足を目指す、こととなっている。
今年度は、『栃木県再生可能エネルギー導入検討支援事業』や『遊休農地解消支援事業』で補助を予定しているが、課題として、エリアンサスペレットの価格低減が挙げられている。
3つ目は、那珂川町による「農業施設での木質チップボイラーの余熱利用」。事業内容としては、木質チップボイラーの余熱による温水を野菜温室でカスケード利用すること、南国フルーツ等高付加価値農産物を生産・販売すること、再生可能エネルギー施設や農業施設への視察受け入れを展開すること、将来的には加工場や保冷庫等を設置し観光型農業施設を目指す、となっている。
現在、組合・熱供給事業者など既存事業者による段階的整備を支援する予定であり、課題として、農地の集約、農地転用等の問題や、高付加価値商品の生産・加工・販売の拡大の問題が挙げられている。
(画像はプレスリリースより)

栃木県
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