実機を用いた「日立風力保守トレーニングセンター」開設
株式会社日立製作所は10月24日、風力発電システムでの高度な保守サービス提供を目的とした「日立風力保守トレーニングセンター」を、茨城県日立市の日立事業所埠頭工場内に同日開設したと発表した。
同社では、稼働中の風力発電システムを用いた訓練と講義による保守点検員の教育を、風力発電システム納入と同時に継続して行っており、これまで約200名の保守点検員を養成してきている。
しかし、稼働中のシステムを使っての訓練となるため、稼働システムが停止する定期検査時でしか教育を行えず、効率性を欠く問題があった。
このため同センターにて、実際に使用されている機器と同じタイプの訓練専用システムを使い、故障時の対応シミュレーションや部品交換など、高度な訓練と講義を合わせての保守点検員養成講座を開講することとしたもの。
日立以外の風力発電システムを扱う保守点検受講も可能
同講座は、実際の風車でのOJT有無や定期検査項目に応じての3コース設定とし、各コースとも講座1回当りの人数は4~5名設定にて行う計画という。
また、日立製品以外の風力発電システムを扱う保守点検員の受講も可能で、国内の風力発電システムにおける保守点検員の需要増加や、発電事業主自らが保守・点検を行いたいといったニーズにも対応するとのこと。
なおこの背景として、国内の風力発電システムは日本の長期エネルギー需給見通しにて再生可能エネルギーの割合を22~24%とする目標が掲げられていることから、2030年までに1,000万kW以上に導入量が拡大すると見込まれている。
また2015年6月に成立した改正電気事業法で、風力発電システムの定期検査が2017年度から義務化されることとなっており、2020年までに新たに最大2,000人の保守点検員が必要とされるなど、風力発電システム向けた保守点検員の早急な養成が求められていることがある。
(画像はプレスリリースより)

株式会社日立製作所 プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/10/