水素エネルギーの安全利用には、水素ガスセンサが必須
映像表示装置用電子部品の開発・製造等を行うNLTテクノロジーは9月9日、水素ガスセンサの実用化実験を実施した件について、同社のホームページに掲載した。同社と秋田県産業技術センターは、磁気光学キャビティ効果を応用した水素ガスセンサの開発を行っている。
水素エネルギーは、化石燃料の代替エネルギーとして注目されている。しかしながら、水素エネルギーに利用される水素ガスは、非常に軽い上に漏洩しやすく、しかも、漏洩した場合は危険性が非常に高まる。そのため、水素ガス利用における安全性の確保には、水素ガスセンサが必要とされる。
実験の結果、高い防爆性の水素ガスセンサが実現可能に
実用化実験においては、磁性を持つ物質に直線偏光を入射すると生じる「Kerr回転角」の性質を利用した。
実用化実験の結果、窒素に4%の水素が加えられた状態であっても、水素反応層・磁気光学干渉層・金属反射層で構成される積層膜を用いて、水素反応層の水素化によるKerr回転角の検出を試みた結果、約3度のKerr回転角変化をリアルタイムで確認することができた。
上記の実験結果により、水素ガスを検知する素子に電圧を加える必要がないことから、高い防爆性を有する水素ガスセンサが実現可能となる。
同社は、3~5年後に水素ガスセンサの実用化を目指して、今後も研究を続けていくとしている。

NLTテクノロジー プレスリリース
http://www.nlt-technologies.co.jp/jp/news/水素エネルギー協会 水素用ガスセンサの現状と課題
http://www.hess.jp/Search/data/30-02