佐賀市清掃工場向けCO2分離回収プラントが稼働開始
東芝株式会社は8月10日、同社が佐賀市清掃工場に納めたCO2分離回収プラントが、8月26日から稼働すると発表した。
このプラントは、ごみ焼却時に発生する排ガスにアルカリ性のアミン水溶液を接触させることで、排ガスからCO2を吸収した後、水溶液を加熱して高純度のCO2を分離・回収する化学吸収法を用いている。これは同社が火力発電所向けに開発したもので、清掃工場で商用利用されるものとしては、世界初という。
元々同社は2013年に、同市の「清掃工場バイオマス利活用促進事業」に参画、市の清掃工場にCO2分離回収活用システム(CCU)の実証設備を納入していた。
1日10トンのCO2を回収、藻類培養や農作物栽培等に活用
この事業は、清掃工場のごみ処理過程で発生する排ガスからCO2を回収し、これを農産物の栽培などに利活用するシステムの構築を目指したもので、これによりCO2の大気中への排出削減を図り、地球温暖化対策に寄与するほか、CO2を活用する企業の立地を誘導し地域活性化も意図していた。
これまで得られたデータから、農業等に提供可能な高純度のCO2分離回収技術の検証や回収コストの評価などを佐賀市と共同で行ってきていて、これまでの知見を今回の納入プラントに反映させ、清掃工場固有排ガスの不純物影響等を考慮した分離・回収システムとして完成させたという。
なお、このプラント稼働により、発生する排ガスの一部から1日に最大10トンのCO2を回収でき、回収したCO2は藻類の培養や農作物の栽培等に活用する目的で、佐賀市が事業者に売却することとしている。
(画像はプレスリリースより)

東芝株式会社 プレスリリース
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