伊那市、木質バイオマス暖房の使用状況調査結果を公表
伊那市は7月28日、木質バイオマス暖房の使用状況調査結果を公表した。
この調査は、木質バイオマス暖房をより普及させるため、市内一般家庭での暖房使用状況の把握と木質バイオマス暖房に関する認知度・意識調査により、今後の普及活動の基礎資料とするため、市が委嘱する伊那市地域おこし協力隊の金子孝治氏(自然エネルギーコンダクター)が実施したもの。
市内に住む20歳以上の男女住民2000人を対象に、この2月に郵送にて、世帯属性等情報、住まいの状況、使用中の主な暖房器機、木質バイオマス暖房に関する認知度と意識調査を、によるアンケート調査行った結果、892人(約45%)から回答を得たという。
この結果、全体の94.9%の世帯で石油による暖房を利用していたほか、薪ストーブは8.3%と利用率は高いもののペレットストーブは0.3%と著しく低かったという。この理由としては、ペレットストーブに対しての理解度が低く、薪ストーブ同様の工事が必要と思われていることなどが考えられるとしている。
普及には詳細な情報発信と体験できる機会などが必要
またペレットストーブの認知度では、66.3%が知っていたと答えたものの、使わない理由としては、「高齢のため扱いが難しい」、「家の改造が必要」、「初期費用が高い」を挙げる人が多かったとのこと。
これに対する考察としては、ペレットストーブはエアコンと同程度の工事で済むことと高齢者でも取扱いが簡単にできることをアピール出来れば導入に繋がるとみている。
また、薪の調達に苦労しているという意見が多かったが、薪調達に関する不安がなくなれば利用や導入がある程度進むことが期待されるため、普及拡大には薪調達の環境を充実させる必要があるという。
そして、自然エネルギーへの関心は高く、木質バイオマス暖房への切り替え導入には、石油同等の「安さ」「便利さ」などの提供と“木”の魅力・環境の理解促進が必要で、今後、薪ストーブやペレットストーブを普及させていくには、詳細な情報発信と体験できる機会などが必要としている。

伊那市市民生活部 プレスリリース
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