バイオマス燃料製造の商用化に向けた取り組みを加速
2017年04月26日、株式会社IHI(以下、IHI)は、東南アジア地域に多く存在するパーム由来の未利用バイオマスを原料とした、火力発電に適用可能なバイオマス燃料製造に関する商用実証に取り組むことを決定したと発表した。
同社は、マレーシアで稼働中のEmpty Fruit Bunch(パームヤシの空果房、以下、EFB)ペレットを製造するテストプラントを、商用実証水準に拡張し、2017年度後半に、燃料サンプルの出荷を開始する予定だ。
未利用のバイオマス資源であるEFBの有効利用を促進
マレーシアとインドネシアをはじめとする東南アジアでは、パーム油が広く生産されているが、その搾油過程で、バイオマス資源であるEFBが大量に発生する。
しかしながら、EFBは腐敗しやすく、水分・灰分・塩分も多いため、その大部分は未利用なままで廃棄されている。
IHIは、微粉炭焚石炭火力発電所や、循環型常圧流動層ボイラで使用可能なレベルまでEFBを改質し、安定した品質で、カーボンニュートラルな固体バイオマス燃料に変換する手法を確立した。
なお、石炭火力発電は今後も重要なベースロード電源としての役割を期待されており、石炭の代替燃料としてカーボンニュートラルであるバイオマスを活用した様々な取り組みが注目されている。
(画像はプレスリリースより)

IHI プレスリリース
https://www.ihi.co.jp/