平成28年度地中熱利用状況調査の集計結果を公表
環境省は3月23日、全国の地中熱利用システムの設置状況を調査し、平成28年度地中熱利用状況調査の集計結果を公表した。
地中熱は、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーで、年間を通して温度変化が少なく、天候や地域に左右されない安定した再生可能エネルギーである。
2016年3月までの地中熱利用システム設置件数は6,877件
環境省は、平成22年度から2年毎に全国の地中熱利用システムの設置状況を調査しており、今回平成28年度地中熱利用状況調査の結果を発表した。
調査対象は、特定非営利活動法人地中熱利用促進協会の会員、協会が地中熱利用に関する実績を把握している施主、設計者、工事会社等の事業者、大学・地方公共団体、およびインターネット検索結果による地中熱利用実績のある事業者・大学である。
調査票を電子メールで、248箇所に依頼し、回収率約65%の回答数161を得て、2016年3月までの年度設置件数を集計した。
2016年3月までの地中熱利用システムの設置件数は6,877件で、2013年12月までの5,711件から1,166件、20.4%の増加であった。
方式別設置件数は、ヒートポンプシステムが2,230件(32.4%)、空気循環システム1,919件(27.9%)、水循環システム1,781件(25.9%)となり、この3方式で全体の86.2%を占めている。ほかには、熱伝導が809件(11.8%)であった。
導入箇所別では、住宅991件、事務所254件、庁舎等157件、店舗119件、道路96件などで、建物使用が多い。
設置件数トップは千葉県の644件、次いで北海道640件
都道府県別では、千葉県が最も多く644件(うち548件は熱伝導方式)、続いて北海道640件(うち598件はヒートポンプ方式)、山形県612件(うち547件は融雪用の水循環方式)で、約28%を占めた。
環境省は、地中熱利用の更なる普及促進を図るため、調査を継続するという。
(画像はプレスリリースより)

環境省のニュースリリース
http://www.env.go.jp/press/103827.htmlhttp://www.env.go.jp/press/besshi_103827.pdf