米国最大規模となる系統用蓄電池の運転実証開始
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と住友電気工業株式会社は3月17日、米国カリフォルニア州政府および現地の電力会社と協力し、サンディエゴにおいて米国最大規模となる系統用蓄電池の運転実証を3月16日から開始した、と発表した。
2MW級のレドックスフロー電池を設置
米国カリフォルニア州の州法は、電力会社に電力貯蔵装置の導入義務を課し、蓄電池により適正収入が得られるよう、州内の各公益機関は協力して蓄電池ロードマップ(Energy Storage Roadmap)を策定することを求めている。
NEDOは、蓄電池の普及と展開に向けた送電・配電併用運転による経済価値向上の検討のため、2015年9月カリフォルニア州の経済促進知事室と基本協定書(MOU:Memorandum of Understanding)を締結し、住友電気工業に委託した。
NEDOと住友電気工業は3月16日、カリフォルニア州のサンディエゴの変電所内において、大手電力会社San Diego Gas and Electric社(SDG&E社)の協力のもと、系統用蓄電池として米国最大規模となる2MW級のレドックスフロー(RF)電池を設置し、運転実証を開始した。
レドックスフロー電池の費用対効果の向上を目指す
運転実証では、配電網において周波数調整、電圧調整、余剰電力対応などの多用途対応運転を行い、RF電池の信頼性・経済性について評価する。また、電力会社から指令を受け、送電網における、周波数・電圧の制御および緊急時予備電力確保等、アンシラリーサービスへのRF電池の貢献について技術実証を行う。
今回の実証事業により、再生可能エネルギーの増加による電力品質低下の防止、余剰電力への対応、などRF電池の費用対効果の向上を目指すという。
(画像はプレスリリースより)

新エネルギー・産業技術総合開発機構のニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100733.html