高い透水性をもつ超臨界水
東北大学は1月24日、国立研究開発法人産業技術総合研究所、米国地質調査所と共同で、超臨界水が高温高圧の花崗岩質岩石からなる大陸地殻であっても、高い透水性をもつ可能性があることを明らかにした。
超臨界水とは、温度374℃以上、圧力22MPa以上の水のこと。
高透水性の超臨界地熱資源が大陸地殻内に存在
地熱資源が豊富な日本やアイスランドなどの国においては、単位質量あたりのエネルギーが大きな超臨界水が、高温高圧下のき裂岩石のなかに存在する。超臨界地熱資源とよばれ、新しい地熱資源として注目されている。
最近アイスランドにおいて、450℃の超臨界地熱資源の存在が確認された。この新しい地熱資源を用いて発電した場合、生産井一本あたりの発電量は、従来の地熱資源を用いた場合(3~5MW)よりも約一桁大きい(35MW)と見積もられている。
従来、超臨界水が存在する深度約2km以上の高温高圧の比較的軟らかい花崗岩質岩石からなる大陸地殻では、水の流路となるき裂に乏しく透水性が極めて悪い、と予想されていた。
東北大学などは、株式会社東栄科学産業と共同で、高温高圧環境を作り出すこのできる特殊な実験装置「樹脂メルト式三軸セル」を開発した。
この装置を用いて、最高温度500℃,深度6kmに相当する最大圧力100MPaまでの高温高圧下におけるき裂性花崗岩の透水性を測定した。
その結果、高透水性の超臨界地熱資源は,温度約375℃~460℃,深度約2km~6km(圧力約3MPa~100MPa)の大陸地殻(延性地殻)内にも存在することを明らかにした。
世界で初めて、超臨界地熱資源が多数存在することを証明
地熱発電に利用可能な超臨界水を含む超臨界地熱資源が、従来の予想以上に多数存在しうることを世界で初めて証明した。
(画像はプレスリリースより)

東北大学のプレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/