地球温暖化防止の観点などから、安全な水素社会の実現に向けた技術開発
2017年6月20日、株式会社東芝は、検知速度を落とすことなく、従来の約100分の1以下の低消費電力で水素ガスを検知する水素センサー(以下、同水素センサー)を開発したと発表した。
水素は可燃性ガスであるため、安全に使用するには、漏洩時に高速に検知できる水素センサーが求められている。また、電池で常時水素を検知するためには、低消費電力であることが必要だが、検知速度と消費電力にはトレードオフの関係があった。
同水素センサーは、半導体製造ラインで1枚のウエハーから多数製造できるため、低コストで大量生産が可能だ。
なお、同水素センサーの詳細を、台湾で開催されるMEMSに関する国際会議「Transducers2017」で、6月20日に発表する。
開発した水素センサーの特徴
センサー膜にアモルファス合金であるパラジウム系金属ガラスを採用することで、水素との結合を抑制し、従来の高速検知が可能な水素センサーと同水準である数秒での検知を実現した。
また、常時加熱することなく水素を検知できるため、容量型MEMS構造を採用して、従来の約100分の1以下である100ミクロンWオーダーの低い消費電力で動作することが可能だ。
この結果、従来トレードオフの関係にあった高速検知と低消費電力を両立させることに成功したとのこと。
(画像はプレスリリースより)

東芝 企業情報
http://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1706_03.htm