その名も「陸・海電力コネクティングシステム」
準大手ゼネコンの三井住友建設株式会社は、国立大学法人東京海洋大学と共同で、災害時の大規模停電の際の、船舶や電気自動車を使った電源供給システム「陸・海電力コネクティングシステム」を開発した事を発表した。
また横須賀市の協力を得て、横須賀市役所久里浜行政センターを使い、電気自動車のバッテリーを利用したエレベーター稼働実証試験を実施した。
合理的かつ経済的な供給を可能にする電源供給システム
同システムは、非常用電源を設置していない建物に対し、合理的かつ経済的に電力供給を可能とするため、電気自動車を利用して、船舶の電源を内陸部の施設などへ合理的かつ経済的に輸送する手段として提供するもの。
同時に「交流電源安定装置」を用いて、電気自動車バッテリーから供給する電灯電源を、動力電源に変換する事が出来る事から、停電時のエレベーター等の稼働も確保できる。
電気自動車のバッテリーでエレベーターの稼働実験
2017年6月10日に行われた実証試験では、電気自動車のバッテリー(6kW)にて横須賀市役所久里浜行政センターのエレベーター(3F/3.5kW)を稼働させ、稼働中の消費電力のデータを取得した。
試験結果では、エレベーター積載量の適切なコントロールにより大型電動機の始動電流を抑制。それにより省エネ化と稼働回数の増加に繋がる事が実証された。
災害による停電時、建物機能の維持による安全確保を目指す
今回の実験は、災害による停電時の安全確保から、建物機能の維持を目的に開発が進められたもので、特に中高層階からの移動が困難になる、エレベーターの停止に対処する事が目的である。
現実的には非常用電源を確保している施設はまだまだ少なく、非常用発電機を設置してある建物でも、防災設備への電源供給を主体とし、保安電源にまでは供給できていない状態である。
実際に使われる動力三相200Vによる電源供給が課題
また近年電気自動車を活用した取り組みも進んでいるが、供給できる電源は電灯単相3線式200V/100Vであり、エレベーターの稼働など多くの建物で求められる、動力三相200Vによる電源供給が課題となっている。
同社ではエレベーター稼働実証実験での結果を踏まえ、省エネルギーでの効率的な稼働の実現に向けた取り組みを進め、非常時の電気自動車や船舶を確保する運用体制、さらには電源供給サービスの検討に注力していくとした。
(画像はプレスリリースより)

日経プレスリリース 三井住友建設株式会社 プレスリリース
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