センサーの自立型電源に活用
住江織物株式会社は、同社テクニカルセンターの技術者2名が、繊維/布帛型太陽電池の開発で、一般社団法人繊維学会の技術賞を受賞したことを発表した。
受賞した「布帛型太陽電池」は、同社が、2011年から2014年にわたって行われたNEDOのグリーンセンサ・ネットワークシステムプロジェクトに参画し、東京工業大学や信州大学とともに開発した太陽光発電成因を用いた織物。
発電量は、10平方センチメートルで150マイクロワットと微弱であるが、室内環境や生体情報の測定に使われるセンサーの自立型電源としても活用が見込まれている。
例えば、カーテンなどのインテリア製品に、この太陽電池を組み込むことで、湿度や温度、照度、CO量といった室内環境の測定に役立つセンサーの電源とすることができる。また、ウェアラブル特性を活かして、衣服や帽子等に生体情報センサーとともに組み込むことで、介護や見守りといった分野での活用が可能だ。
さらには、農業分野では、植物を覆う網目状の寒冷紗に用いることで、ビニールハウス内の環境測定にも役立てることができる。
環境を考慮した様々な高機能商品
住江織物は、1883年の創業以来130年以上の歴史のなかで、常に技術の向上を図り、マーケットインの視点で商品開発を進めており、環境にやさしく機能性に優れたより良い商品を追求してきた。
そのなかで、様々な機能を持った資材の開発にも力を入れ、花粉・ダスト・粉じんなどの侵入を防ぐ網戸用ネットや、軽量で通気性と遮熱性がある一般住宅用遮熱防水シート「透湿遮熱屋根下地シート」、廃棄物最終処分場の法面や底面に使用する特殊遮水シート「トータル遮水システム」「仮設工事シート」など、環境に配慮した製品も取り扱っている。
同社では、布帛型太陽電池について、オープンイノベーションを活用しながら様々な企業との共同開発を行い、商品化を目指す。
(画像はプレスリリースより)

住江織物株式会社
http://suminoe.jp/news/news_000626.html