マイルド・ハイブリッドシステムが燃費の改善技術として注目されている
2017年5月22日、日立オートモティブシステムズ株式会社は、出力密度を従来比1.25倍、エネルギー密度を従来比1.5倍に向上したマイルド・ハイブリッド車両向け48Vリチウムイオン電池パックを開発したと発表した。
今後、自動車メーカーへのサンプル供給を開始し、2019年度から量産する。
近年、電池とモーターのパワーを使用して、ガソリンエンジンによる走行をアシストするマイルド・ハイブリッドシステムが燃費の改善技術として注目されており、特に欧州や中国では、急速に普及すると見込まれている。
マイルド・ハイブリッド車両向け48Vリチウムイオン電池パックについて
リチウムイオン電池は、リチウムイオンが電極の材料に出入りすることで充放電する。新しいリチウムイオン電池パックは、セルの電極の構造をミクロンレベルで改良し、リチウムイオンが流れやすい構造にすることで、出力密度を高めた。
さらに、正極、負極それぞれの材料組成を改良し、単位重量あたりに蓄えられるリチウム量を増加させてエネルギー密度を高めた。
なお、これまでは、電池の出力密度を高める方法として、電極の膜厚を薄くして抵抗を減らすことが一般的であったが、出力密度が高まる代わりに、蓄えられるエネルギーが減ってしまうという課題があった。
出力密度の向上により、モーターの加速アシストにおけるトルク性能を強化し、最大出力は12kW以上となった。また、最大入力は15kW以上で、急減速時に生じる瞬間的に大きな回生エネルギーも回収できるため、エネルギーの損失も低減し、燃費も向上する。
(画像は日立オートモティブシステムズ公式ホームページより)

日立オートモティブシステムズ ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/2017/05/0522.html