超大型クレーンを必要とせず、最小限の施工ヤードでの工事を実現
2017年5月19日、株式会社大林組は、株式会社巴技研と共同で、大型風車の建設工事において、超大型クレーンを使わずに、リフトアップにより組み立てを行う装置「ウインドリフト」(以下、同装置)を開発したと発表した。
超大型クレーンは国内には数台しかないうえ、現場への輸送も容易ではなく、大きな施工ヤードが必要になることなどが課題だった。
現在建設中の、三種浜田風力発電所(秋田県三種町)の風車建設に同装置を使用した結果、建設コストが約10%削減されたとのこと。
ウインドリフトの主な特長
同装置は、ジャッキアップ式装置で部材をリフトアップしていくため、3MWクラスの風車建設時でも組み立てに超大型クレーンを設置する必要がない。
また、ハブとブレードを、立木などの障害物を避けて、地上10m程度の上空で先に水平に組み立て、建て起こしながら支柱上端部へリフトアップする機能があるため、地上での組み立てスペースが不要になり、超大型クレーンのコストも不要となるため、建設コストを10~20%程度低減できる。
さらに、風の影響を受けにくく、工程遅延のリスクを軽減できる。
なお、同装置は、10tトラックなどの運搬車両で、山間部、離島、などのさまざまな場所へ容易に搬出入できるため、風車が運転を開始した後の突発的な機材の交換修理など、メンテナンス工事にも迅速に対応できる。
(画像はプレスリリースより)

大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20170518_01