高効率化、信頼性向上で電力の安定供給に貢献
2017年5月24日、三菱電機株式会社は、タービン発電機において、発電機全体の運転状況を詳細に把握できる大規模解析技術(以下、同解析技術)を開発したと発表した。
発電機市場では、環境負荷低減のため、高効率な火力発電機の需要拡大が予測されるが、不安定な再生可能エネルギーを補うため、さらなる信頼性の高い多様な発電が求められている。
同解析技術は、電磁界解析や、熱流体解析、構造解析と連携して、発電機の損失を低減して冷却効率向上などの高効率化を行うと共に、温度や振動を低減して信頼性を向上し、電力の安定供給に貢献する。
なお、これまでの解析技術では、電磁損失の現状や、温度分布や変形の予測を詳細に把握することは困難だった。
開発の特長
このたび開発された同解析技術は、独自のメッシュ分割と領域分割法により世界最大規模の3000万メッシュの大規模解析が可能で、コイルを形成する約100本の銅線1本ごとの損失を高精度に評価できる。
また、電磁-熱流体、構造間の詳細な連携解析が可能で、電磁界解析で得られた電磁損失分布を、熱流体の要素にマッピングして温度分布を高精度に予測したり、構造全体の電磁力解析結果を用いた構造解析により、全部品の振動挙動を忠実に模擬できる。
なお、従来の解析では、メッシュ分割が700万メッシュまでで、電磁、熱流体、構造を単独に解析していたために、評価や設計を個別あるいは局所的に行っていた。
(画像はプレスリリースより)

三菱電機 ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/0524-g.html